芝適正・ダート適正

JRAで開催される競馬は、芝のレースとダートのレースがあります。基本的には、芝の方がタイムも速く、軽くスピーディな競馬が展開されます。一方ダートは、砂けむりが舞う、迫力のあるパワータイプの競馬となります。この全く違うタイプの環境で、両方ともに適応能力を見せる馬はそう多くありません。基本的には、どちらかの条件に特化して能力を発揮し、もう一方ではからっきしという馬が多いです。

芝向きかダート向きかを把握する

レースのグレードが低い場合、競走馬の平均的能力も低いので、本来得意な条件でないとしても、それなりの結果を残す馬がいます。しかし、グレードが上がってくると、競走馬の平均能力もそれに伴い上昇するので、苦手な条件というハンデがかなり大きな痛手となり、活躍に限界が出ます。その馬が、芝向きの馬なのか、ダート向きの馬なのかをきちんと把握しておかないと、単純な実力のクラス分けだけでは痛い目を見ます。

血統と適正の密接な関係

血統理論のところで記述していますが、競馬はブラッドスポーツです。優秀な種牡馬と繁殖牝馬を交配し、さらに優秀なサラブレッドを生産していきます。優秀な両親の長所がうまく伝われば、その産駒も活躍が期待されるわけです。

人間もそうですが、子供はやはり親の特徴を受け継ぎます。特にサラブレッドは、より特定の血統の特徴を強く受け継がせようとするので、人間よりもその特徴は色濃く受け継がれることが多くなります。つまり、両親がともに芝、もしくはダートに特化した馬であれば、産駒もその影響を強く受けて、両親が得意だった条件向きになることが多いでしょう。もちろん反対の適正になることは0ではありません。しかし両親揃って同じ条件に特化した馬であれば、かなりの確率で産駒もその条件向きと言えるでしょう。

2歳戦は血統重視

まだ競走馬の実績が明確に出ていない2歳時などは、血統から適正を推測しましょう。古馬になってしまえば、過去のレース結果を総合すれば、自然と成績にバラつきが出ているはずで、それを参照すれば芝向きなのか、ダート向きなのかは把握できます。しかし2歳時の、特に片方の条件でしか競馬をしていない馬の場合、仮に惨敗を繰り返していたとしても、条件が変わると一変する可能性を秘めています。両親が、芝・ダートのどちらが得意だったかをチェックし、一変の可能性があるかどうか見極めましょう。

意図的な不得意条件への出走

まれに、芝向きの馬がダートに、あるいはその逆の光景を目にすることがあります。我々一介の競馬ファンでも、古馬で過去のレース成績が揃っている馬であれば、その馬が芝向きかダート向きかはすぐに判断できます。それでは何故、調教師や馬主はあえて不得意と思われる条件のレースに出走させるのでしょうか。

それには、関係者の「カマシ」という思惑が働いています。あえて不得意な条件に出走させることで、その次のレースに向けて調教替わりの調整を行い、次のレースで得意な条件へ出走し、勝率を高めるのです。それを見抜くためには、その馬の本来得意な条件を把握し、近走の敗因からカマシが有効かどうかを考察してみましょう。そのレースでおそらくその馬は惨敗するはずです。そして、次走得意な条件に出走しているにもかかわらず、前走の着順から人気を落としているでしょう。カマシを見抜けていれば、そこでその馬を狙う根拠となります。


 

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