パドック理論とは
仮に馬の実力がどんなにあったとしても、当日の体調(状態)がよくなければ力は発揮できませんよね。その当日の状態、馬のデキを自分の目で見て判断するというのが、このパドック理論です。それでは、パドックで馬のどのようなところを見ればいいのかをまとめてみましょう。
パドックでのチェックポイント
馬体面のチェックポイント
- 胸前:発達しているほどパワーがあることを示しており、ダート向きの馬が多い。
- 腹回り:ボテッとしていたら太め残りの可能性。逆に巻き上がっていると細い可能性が。
- トモの肉づき:後ろ脚の蹴る力に直接関係してくる。発達しているほど良い。
- 毛艶:馬の体調を示す。人間で言う肌艶。特に冬場は冬毛がモッサリしていることが多く重要。
- 歩様:歩様が硬いと、コズミなどの可能性あり。スムーズな柔らかい歩様が理想。
- 発汗具合:入れ込んだりして発汗が激しいと、レース前にスタミナを消耗してしまっている可能性あり
- 馬体重:急激な増減は仕上がりに不安あり。腹回りと同時にチェックしましょう。
- き甲(2~3歳馬):首から背中にかけてのでっぱり。これが抜けていないと成長途上の可能性あり。
精神面でのチェックポイント
- 入れ込み具合
- 落ち着きがなくチャカチャカしている状態。レース前にスタミナを消耗したり、レースにいってかかってしまう可能性あり。
- 気合の乗り方
- 鶴首で手綱を引く厩務員を引っ張っていったり、パドックの外を力強い足取りで回っていると良い。
- 馬っ気を出している
- 牡馬ならば前後に牝馬がいるなどして、発情してしまう状態。力を出し切れない可能性が強い。牝馬の場合はフケと呼ばれる。
パドックの時間は15分と限られています。ですが、馬券検討にはこれも重要な情報となりうるので覚えておきましょう。どちらかというと調子の悪い馬、力の出し切れなさそうな馬を探すほうが簡単かもしれません。パドックを見ただけで馬の実力を見抜けるというレベルになるには相当時間がかかるでしょう。ですから既にある程度の予想をたてたうえでの、最後のプラスα要素として考えたほうがベターですね。
パドックを見れば見るほど相馬眼はあがる
パドックの見方は芸術の鑑賞と同じだと思います。絵画・音楽に関する歴史や技法一般知識、作者・作品に関する経歴や評論、鑑賞者の感性などが複雑に絡み合って、作品の評価が違ってきます。これが正解であると言い切れる鑑賞方法はありません。正解がない絵画・音楽などの鑑賞方法で唯一正解だと言えることは、数多くの作品を鑑賞すればするほど良い作品とはどういうものかというのが掴めてくるということです。これはパドックの馬にも同じことが言えると思います。パドックで数多くの馬を観察することが相馬眼を高める秘訣と言えるでしょう。