競走馬の実力判断

競馬とは、競走馬が、いかに他の馬より速く走れるかを競うギャンブルです。つまり、いかにその馬が管理されている環境が優良なものだとしても、その馬自体に能力がなければ、いつまでたっても活躍できません。レース結果から、その馬の本質的な能力はいったいどのくらいかを推測する必要があります。

過去のレース結果から判断

競馬に出走する馬の能力を考えるには、絶対的能力と、相対的能力の2つのポイントがあります。絶対的能力は、馬の走破タイムを指数化するところで考えることにして、ここでは相対的能力を見てきます。

相対的能力を他馬と比較する上で、重要なのは次の3点です。

  • 過去レースの調査
  • 出走レースの勝因分析、敗因分析
  • 競走馬の成長度判断

過去レースの調査

どんな競走馬達とレースで対戦して、どんな成績だったか調査することが、競走馬の能力比較で一番大事なことです。単純に、レース毎の競走成績を並べるだけでも、競走馬の能力比較することができます。

競走馬が競馬に出走するに当たって、強い馬は強い馬同士、弱い馬は弱い馬同士での対戦を組むように、クラス分けを行ったり、競走条件に制限を加えます。日本では収得賞金を基準に行いますが、賞金を基準とするのは日本のみで、日本以外の国の競馬ではレーティングなどが用いられています。収得賞金は基本的に、1着を取ったときの競走の競走条件と本賞金に準じて決まり、収得賞金の計算方法は、2006年夏季開催より大幅なルール変更が行われ、下記のように定まりました。

各クラスで獲得できる賞金額
競走条件 収得賞金額
新馬 400万円
未勝利 400万円
500万円以下 500万円
1000万円以下 600万円
1600万円以下 900万円
オープン 本賞金の半額
(10万円未満切捨)
重賞競走においては2着馬も加算)

収得賞金額に応じて、クラスが新馬~オープンまで6つのクラスに分かれています。したがって、どの馬も自分と大体同じ実力の馬同士と競うことになり、ギャンブル的要素も強くなります。格上挑戦があったとしても、陣営がおそらく自信があると考えられ、面白い存在となるでしょう。

レースにいざ出走する時の、競走馬の能力の相対的比較は、このクラス分けによって比較的手軽に出来ます。競走馬を勝たせるために、関係者はその馬の得意な条件に出走させようとするので、だいたい出走するレース傾向が似てきます。となると、他の馬も同じ思考なので、よく同じ馬と対戦する機会が増えます。その時のレースぶり、着順の上下関係である程度把握はできるでしょう。

仮に同じレースに出走していなかったとしても、第三者となる馬をピックアップできれば間接的に比較はできます。第三者の馬との対戦成績が、比較したい馬同士にあれば、その第三者に対して先着しているかどうかという判断基準も出来ます。

それも不可能な場合であれば、今いるクラスでの実績をチェックしていきましょう。上位入線が数多くあるのであれば、相対的にそのクラスでは能力上位であり、逆に大敗続きであれば、クラスの能力の壁に突き当たっていると言えるでしょう。

2006年度クラシックロードを使用した比較例

出走レースの勝因分析、敗因分析

予習よりも復習に時間を費やすことが予想上達の近道です。勝因・敗因をしっかりと分析整理することでが次のレースで重要な予想材料になります。圧倒的1番人気のあの馬は何故負けたのか?どうしてあの馬が勝ったのか?常にレース結果を分析する癖をつけましょう。そしてその結果をまとめておくと、自分自身だけのデータバンクが出来上がります。次以降の予想に役立つことは間違いないですね。その時に、目についた馬のセールスポイントなども抑えておくとよりいいでしょう。

競走馬の成長度判断

競走馬としてデビューする2、3歳という年齢は、人間に例えると中学~高校生に当たると言われています。当然、その年代ならば一人前の競走馬として完成されておらず、個体差はありますが成長を続けます。馬体と気性の成長が、若駒を段々と一人前の競走馬へと近づけていきます。馬の成長タイプには、早熟傾向と晩成傾向があり、早熟傾向の馬は2、3歳時からバリバリに活躍できますが、晩成傾向の馬は、3歳では全く通用しなかったとしても、4歳春又は夏を越えて急に成長することがあります。ある日を境に突然成績が上向いているような馬は、晩成傾向で、今後も成長することが考えられます。

ダービー馬メイショウサムソンを例に成長判断


 

Copyrihgt 2005-2006 競馬研究所 All rights reserved.